フレーム材の製材方法

製材方法について ~当会会員より

 

①市販の大工作業用の丸鋸盤を購入し大きな木製の箱の中にさかさまに収める。別に調節可能な位置決めガイドを取り付ける。

 

②使用方法は切断したい幅にガイドの位置を調節し鋸刃を回転させておいてワーク(ブロック材)をガイドに沿って移動させる。

 

③精度の良い切り出しを行うために重要なこと

・よく切れるチップソーを使うこと。アサリがないとまっすぐには切れない。

・鋸の回転軸の軸受けの精度、耐久性が重要である。日本製のユニット(プロ用)を薦める。

 

④ワークのガイドに倣う面の平坦度と直角度が決定的に重要。したがってワークの予備加工が必要。鉋がけが出来ることが必要。特に直線性が重要。

 

⑤ガイドの面が鋸の刃と平行であることが必要。

ガイドは位置を調整後、台にねじで直接固定する。位置を調整するときはねじを緩める。

 

⑥予備加工なしで精度の良い切り出しを行うためには木材側を固定し回転鋸刃の方をリニアーガイドなど完全に直線運動する台の上に乗せる必要がある。~不採用

 

⑦添付した写真のうち上2枚は全体の構造を理解するのに使っていただきたい。

 

⑧防護カバーの付加

筆者は最初、チップソーの上に保護カバーを付けないまま作業し、切断中に誤って利き腕の指3本を危うく切断する大怪我をしている。その後何度か改良して写真2のような可動式防護カバーを採用した。安全の確保には十分注意して取り組んで欲しいことと、この方法の採用は自己責任で行って欲しい。

 

⑨横押しバーの追加

なるべく安全を確保し易くするため写真2の下側斜めに押し板が写っている。これは滑り台の上を回転方向に動くようにしてあり強いばねでワークをガイドに押し付けるように作用する。これによってワークとガイドが常に密着した状態で切断が継続できるようになり、切り刃に指を近つける必要が少なくなった。

 

⑩ガイドの調整機構はM6のねじ(1回転で1mm進む)2本を使い回転角度を同期させるためチェーンで繋いである。(写真3,4)

1周を10分割したメモリをつけて0.1mm 単位の厚み調整が可能である。

 

⑪私が使った丸鋸盤はカッターが直径145mm、チップソーの厚みが1.3mmである。

刃の出っ張り高さは40mmで、切断最大幅は38mmである。すべり板(ベースの板)は6mmのシナベニヤで作成した。

購入したブロック材は2×4×24インチだったが丸鋸の歯の出代が約40mmのため、ブロックを幅38mmに一度挽き割り、それを指定厚にカットしていった。直径を大きいものにすれば切断幅を大きく出来る。すべり板をアルミ板などに変更するともっと良いと思う。

ガイドを調整して指定厚に切り出された板はチップソーにより面が非常にきれいで鉋掛けの必要がなく、そのままフレーム(ファトック)を切り出した。

 

⑫おがくずの吸出し

丸鋸を抱き込んだ木箱は気密に作成する。作業時の配置を考えて適当な位置に排気の吸出し口を取り付ける。ここに家庭用の電気掃除機のフレキシブルダクトを差し込む。私はホームセンターで水道配管用のビニールパイプを買ってビニールテープを巻きつけ直径差を調整している。強制的におがくずを電気掃除機に吸い出すことで作業場の環境はまずまずに維持される。これをつけないと部屋は大変なことになってしまう。

 

ここから下の写真の高精細版がダウンロードできます。

 

 

写真1 自作丸鋸盤全景

 

写真2 防護カバーとワーク押さえ

このような安全策を必ず講じること

 

写真3 ガイド送り機構

 

 

写真4 送りの微調整ダイヤル