第34回 世界の帆船模型展 3/7

 番号    船 名  製作者  番号    船 名  製作者
No.22  

大和(初代)

竹本 喜道 No.27   ウィリアム・レックス 濱中 聖之進
No.23   アンフィオン 小野田 周二 No.28   日本丸(新) 間宮 靖宏
No.24   ばはん 福田 正彦 No.29   ネプチューン 藤原 義孝
No.25   カタロニアン・ボート 岡本 亮一 No.30   咸臨丸 安田 光
No.26   カタロニアン・ボート 岡本 亮一 No.31   フェア・アメリカン 小菅 哲弥

  No.22   大 和(初代)  

 

    製作者:竹本 喜道    船 籍:日 本    建 造:1887年    縮 尺:1/100

    キット:自 作

 

 初代大和は明治20年創設期の明治海軍が建造した純国産の木造帆船軍艦である。初代艦長は東郷平八郎。東郷元帥はこの艦を生涯格別に愛し続けた。日清戦争(明治27年~28年)には大連・旅順・威海衛攻略作戦に参戦し活躍した。10 年後の日露戦争では、第一線を退いて特務艦として測量任務に就き、日本近海の海図作成を進めた。 

 海軍創設期に建造された大和は、日本海軍の栄枯盛衰を見続けて働き、ついに終戦を迎えた。艦名を継いだ戦艦大和以下すべての海軍戦艦滅亡の後、ただ一隻残って昭和25年(1950年)鶴見川河口で朽ち果てた。感無量の悲劇である。

 

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  No.23  アンフィオン (AMPHION)  

 

    製作者:小野田 周二    船 籍:スウェーデン    建 造:1778年    縮 尺:1/40

    キット:コーレル

 

 1778年スウェーデン国王グスタフ三世の快速遊覧船(王室ヨット)として設計、建造された。その後、武装し数々の軍事行動に参加、特にスベェンサンドでのロシア海軍との海戦では国王がこの船に乗り、海戦を指揮して自国に勝利をもたらした。設計はスウェーデン王室研究員のF.H チャップマン。 

 キット図面には船体の縦断面図が記載されておらず、資料としてアナトミーシリーズ「ロイヤル・キャロライン」を参考としたが、船体内部は想像で作った部分が多い。なお、船台は伝統工芸品業者から譲り受けた屋久杉でできている。

 

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  No.24    ば は ん 

 

    製作者:福田 正彦    船 籍:日 本    建 造:1987年    縮 尺:1/15

    キット:自 作

 

 日産自動車が開発した初期のFRP製量産艇で船殻以外は木製である。これを、すべて木製として再現した。30フィートのセーリング・クルーザーで、ダブルハンドルで操作できる。

 コックピットはもとよりキャビン、ギャレー、トイレまで製作した。 着色はせずに、全て素材の色を生かすようにワトコオイルで仕上げた。古い作品だが、一部改装して出品した。

 

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  No.25  カタロニアン・ボート

          (BARQUE CATALANE)  

 

    製作者:岡本 亮一    船 籍:フランス    建 造:1893年    縮 尺:1/25

    キット:自 作

 

 19世紀末頃、スペインとフランスの国境沿いの南フランス地中海沿岸のカタロニア地方でよく使われていたイワシ漁船で、船底に平行に走る3本のキール、舵、甲板のそりにその特徴がある。 

 初めて本船で構造模型に取り組んでみたが満足できるレベルにならず、同じモデルをもう一隻製作した。一隻は外板を張った作品にして、構造模型の作品と合わせて出品した。

 

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  No.26  カタロニアン・ボート

         (BARQUE CATALANE)  

 

    製作者:岡本 亮一    船 籍:フランス    建 造:1893年    縮 尺:1/25

    キット:自 作 

 

 スクラッチでの製作をしたくなり、手始めに加工工具を揃えなくてもできそうなこのボートを選択した。入手した図面の縮尺は1/20と少し大きいので、コピー機で1/25に縮小して製作にとりかかった。舷側部材との隙間発生や水平の確保などに苦労したが、写真などがとても参考になり何とか組み立てることができた。

 製作を進めてみるとキットにはない新鮮さがあり十分楽しむことができた。

 

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      No27   ウィリアム・レックス (WILLIAM REX)  

 

    製作者:濱中 聖之進    船 籍:オランダ    建 造:1698年    縮 尺:1/75

    キット:自 作

 

 本船はオランダの博物館に現存する大型模型で、実船には至らなかった幻の戦列艦である。同博物館監修書籍に本船模型が掲載されている。船尾の緻密な彫刻群は実に目を見張るものがあり、その美しさに魅了されて製作を決意。船首のライオン像には英国の王冠を配するなど、英国洋式も散見される。彫刻類は主としてエポキシパテを使用。 

 大砲やガンポートリッド等は原型を作って型取りし、樹脂で量産した。塗装は博物館模型が木地仕上げであるのに対し、当時の実船相当の塗装仕上げとして少し遊んでみた。なお完成は来年の予定である。

 

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  No.28  日 本 丸(新)

 

 

    製作者:間宮 靖宏    船 籍:日 本    建 造:1984年    縮 尺:1/160

    キット:ウッディジョー

 

 新日本丸は、初代日本丸の老朽化に伴う代替船として、昭和59年9月、住友重機械浦賀工場にて竣工した。総トン数2750t、全通船楼甲板・4檣バーク型、全長約110m、横帆・縦帆各々18枚、メインマストの高さは水面上約50mである。 

 本船は練習帆船として堅牢と美観を備えて品位ある船型をもち、実習生の身心の鍛錬・慣海性など資質の養成、基本的海技の習得に最適の艤装を施されている日本が世界に誇るすぐれた大型帆船である。なお姉妹船として海王丸が同様に活躍している。

 

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  No.29  ネプチューン (NEPTUNE)  

 

    製作者:藤原 義孝    船 籍:イギリス    建 造:1683年    縮 尺:1/90

    キット:コーレル 

 

 大砲58門を持った第三級戦列艦である。1692年6月ラ・ハーグ沖の英仏海戦にラッセル提督指揮のもとにイギリス艦隊の一隻として参戦した。この海戦でフランス艦隊の旗艦ソレイユ・ロワイヤルが座礁、炎上壊滅する等トウールビル率いるフランス艦隊は壊滅的に負けた。

 本船は当時の戦列艦で外装の装飾が大変美麗で豪華絢爛だったプリンス号と比較され、小プリンスとも言われていた。

 

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  No.30   咸 臨 丸 

 

    製作者:安田 光    船 籍:日 本    建 造:1857年    縮 尺:1/75

    キット:ウッディジョー

 

 1857年オランダのキンデルダイクで完成、同年日本に送られ、長崎軍伝習所の練習船として、江戸幕府所有の初期軍艦である。木造3本マストの蒸気船で、洋式のスクリューを装備し、スクリューは、入出港時に主に使用され、それ以外は水線上に引き上げる構造である。 

 100馬力の蒸気機関の燃料は石炭で、6ノット(約10km)、砲12門620総トンの船で、1860年に日米修好通商条約の批准書交換の為に浦賀を1月19日出港、2月26日にサンフランシスコに到着した。艦長が勝海舟、木村摂津守が提督、福沢諭吉、ジョン万次郎も乗船して、アメリカ人の助けで航海した。

 

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  No.31  フェア・アメリカン (FAIR AMERICAN)  

 

    製作者:小菅 哲弥    船 籍:アメリカ    建 造:1778年    縮 尺:1/48

    キット:モデルシップウェイ 

 

 実技講習会の受講のため、自己流で作りかけの「チャールズ・ヨット」(2隻目)を中断して、新しくキットを用意した船です。

人講習会での講義、ガイドブックの内容、および実技講習会での講義と模範実技を参考にして、丁寧に作るのを目標にしました。作り始めるとほぼ全ての工程でやり直しや数工程の手戻りが発生し、遅々として進まず、工作の難しさや部材不足に悩まされ何度か製作を放棄したくなりましたが、その都度講師の方々から適切な指導と助言を頂き、また受講生仲間の励ましもあり工作の粗さはさておき何とか完成することができました。

 

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