第35回 世界の帆船模型展 1/10

 番号    船 名  製作者  番号    船 名  製作者
No. 1   ジャンク 肥田 純 No. 6   横須賀丸 竹本 喜道
No. 2   ギリシャのバイリーム 加藤 正男 No. 7   青龍二号 竹本 喜道
No. 3   合衆国海軍哨戒艇1号 松本 善文 No. 8   ビーグル 薬師 正徳
No. 4   サイレン 藤原 義孝 No. 9   ポーツマス 西谷 眞宏
No. 5   ラ・シレーネ 藤田 貞重 No.10   サンチャゴ 村石 忠一

  No.1  ジャンク (JUNK)

 

    製作者:肥田 純    船 籍:中 国    建 造:18世紀    縮 尺:1/60

    キット:アマティ  

 

 キットのジャンクに金色塗装をし、中国風の時計付き船台に固定して置物風に仕上げてみました。 帆船模型の楽しさ、見せ方、置き時計としての実用性などを考え製作しました。

 

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  No.2  ギリシャのバイリーム (GREEK BIREME) 

 

    製作者:加藤 正男     船 籍:ギリシャ    建 造:BC.480年    縮 尺:1/35

    キット:アマティ 

 

 バイリームとは、オールが2段のものをいうが、この船の面白さは舳先に敵を睨み付けるような眼が描かれ、船首の喫水部が突き出して敵の船に体当たりをして穴を開けるための構造になっていた。戦闘甲板の上には司令官用の座席がこしらえてある。

 

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  No.3  合衆国海軍哨戒艇 No.1

        (USN PICKET BOAT No.1) 

 

    製作者:松本 善文    船 籍:アメリカ    建 造:1864年    縮 尺:1/24

    キット:モデルシップウェイ 

 

 本艇は南北戦争において1864年、海軍中尉ウィリアム・カッシングの指揮の下14名が乗り組み、南軍の鉄皮艦「アルベマール」に突入し撃破するという勲功を樹てた。全長15.8m、12ポンドのホーヴィッツ砲1門を搭載。蒸気機関車メーカーとして高名だったスケネクタディ社製の単気筒蒸気機関を動力とする艇であった。

 この有名な艇のキットがモデルシップウェイ社から出たので早速取り組んだ。ボイラーと蒸気エンジン、推進器への伝導部が露出状態で搭載されている。

 

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  No.4  サイレン (SYREN) 

 

    製作者:藤原 義孝    船 籍:アメリカ    建 造:1803年    縮 尺:1/64

    キット:モデルシップウェイ 

 

 1803年にフィラデルフィアで建造された米国海軍のブリッグ型の帆船。1804年からのバーバリー戦争ではトリポリ攻撃に参戦。1810年サイレン(Syren)と改名。

 1812年米英戦争中の1814年7月12日南アフリカ・ニコルソン沖でイギリス海軍74門艦Midwayに遭遇し、追跡から逃れるため錨、銃、ケーブル、ボート、予備のスパー等を船外に投棄し船を軽くして逃走したが、11時間にわたる激しい追跡を受けイギリス軍に捕獲された。1815年からは病院船となった。

 

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  No.5  ラ・シレーヌ (LA SIRENE) 

 

    製作者:藤田 貞重    船 籍:フランス    建 造:1768年    縮 尺:1/75

    キット:コーレル

 

 1700年代のフランスのフリゲート艦に相当。スウェーデンの王室科学研究員だったF. H. チャップマンがフランス王のために設計しました。重要任務に就いたようなことは何も残っていませんが、デザイン、構造、流体力学からその当時はたいへん優れた船であったことは本の資料からも充分伺えます。 

 この船は、どのような風圧下でもあまり揺れを起こさず、相当な速度で航行することができたと書かれています。

 

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  No.6   横須賀丸 

 

    製作者:竹本 喜道    船 籍:日 本    建 造:1866年    縮 尺:1/100

    キット:自 作

 

 横須賀丸は我が国最初の実用蒸気船である。元治元年(1864)江戸幕府はフランスの支援を得て横須賀に近代的な造船所建設を開始した。工事に先立って大量の資材人員を開港場横浜から運ぶため2隻の蒸気船が建造され、三十馬力船、十馬力船と呼ばれた。 

 三十馬力船は後に「横須賀丸」と命名された。明治維新以後、江戸・東京~横浜~横須賀を結ぶ定期航路としても活躍した。本来の業務に支障を来すようになってきたため、さらに同型船が造られ、第1横須賀丸、第2横須賀丸などとなった。設計は造船所首長レオンス・ヴェルニーである。

 

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  No.7  青龍二号 (SHA CHUAN) 

 

    製作者:竹本 喜道    船 籍:中 国    建 造:1850年    縮 尺:1/50

    キット:自 作

 

 19世紀~20世紀中頃、中国長江水域で活躍していた大型ジャンク。沙船と呼ばれた。海洋へも出て南北沿海航路に就いた。船殻は典型的な隔壁構造、帆装は中国船独特の平衡ラグスルである。 

 5本のマストは中心線上に揃っていない。隔壁は2枚一組になっていて、2枚の壁の間に荷を積まない狭い間隔が置かれる。この間隔にマストが配置される。マストは船体中心に配置されるとは限らない。この間隔はバラストを入れたり、生簀になったり、海へ出るときには真水の貯蔵にも用いられる。舵は平衡舵である。両舷前部に眼を画いた。漁船の場合は眼は下を向く。

 

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  No.8  ビーグル (BEAGLE) 

 

    製作者:薬師 正徳    船 籍:イギリス    建 造:1820年    縮 尺:1/96

    キット:自 作

 

 ビーグル号はダーウィンが「進化論」のヒントを得た航海に乗船した船で砲10門を備え、71名が乗り込んだ小型の英国軍艦である。 

 この船を選んだのは①歴史的に有名な帆船であることと、②机の上に飾れる大きさとシンプルな構造であることからである。アナトミーの図面を縮小して1/96で製作に取りかかったが、パーツ作りが細かくて行き詰まりの繰り返し。ここまで、思っていた時間の何倍もかかってしまったが、この先も試行錯誤を楽しみながら作り続けたい。

 

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  No.9  ポーツマス (PORTSMOUTH) 

 

    製作者:西谷 眞宏    船 籍:イギリス    建 造:1796年    縮 尺:1/64

    キット:マモリ改造 

 

 ブリッグ型商船として1796年に建造された。私掠船として砲を12門装備した民間武装船でもあった。この時代、多くの国が私掠船を承認し、お墨付きのマークレターや報復拿捕許可状を与えられて合法的に海賊行為ができた。

 日本は江戸後期で、髙田屋嘉兵衛が「辰悦丸」でエトロフ航路を開いたのは3年後である。

 

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  No.10  サンチャゴ (SANT'YAGO) 

 

    製作者:村石 忠一    船 籍:スペイン    建 造:1540年    縮 尺:1/75

    キット:自 作

 

 図面にはフランコ・ガイ ローマ1974と書かれています。スペイン ハプスブルグ家という時代の初期ガレオン船で、メインセールにはハプスブルグ家の紋章双頭の鷲の絵が大きく描かれ、各所にキャラック的なところが残っています。大砲の形もその後のものと違いがあります。 

 この時代の船は資料が少なく、これでいいのか? と色々ありましたが、それを自分の形にするのも古い模型を作る楽しみです。木材はペアウッド、ボックスウッド、ローズウッドなどです。

 

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