第36回 世界の帆船模型展 3/8

番号   船 名 製作者 番号   船 名 製作者
No.21   74門艦 廣野 常也 No.26   ロイヤル・キャロライン 高山 實
No.22   ビーグル 薬師 正徳 No.27   日本丸(新) 三塚 康典
No.23   チャールズ・ヨット 江藤 正和 No.28   ベレロフォン 久保田 光昭
No.24   カティ・サーク 前川 政司 No.29   錦川の屋形船と錦帯橋 児玉 陸郎
No.25   スウェーデンの砲艦 首藤 克彦 No.30   高田丸 金森 弘一

  No.21  74門艦 (74 GUN SHIP) 

 

    製作者:廣野 常也    船 籍:フランス    建 造:1780年    縮 尺:1/72

    キット:自 作

 

 74門艦の模型は多く作られているが、多くの海戦で機動性を発揮して活躍し、またバランスの取れた船体のデザインが興味を持たれている理由だと思われる。このことがきっかけで、この模型を作り始めたが、忠実に美しく作りたいという気持ちが先行してしまい、なかなかペースが上がらなく、最近は腰を落ち着けて作るようにと気持ちを切り替えた。 

 この1年間はデッキ関係を中心に作成したが、ビームを平行に配置する工夫や、カーリングを綺麗に配置するための溝作りなど、製作に苦心した。

 

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  No.22  ビーグル (BEAGLE) 

 

    製作者:薬師 正徳    船 籍:イギリス    建 造:1820年    縮 尺:1/96

    キット:自 作

 

 特別調査船ビーグル号はダーウィンが「進化論」のヒントを得た航海に乗船した船で、砲10門を備え71名が乗り込んだ小型の英国軍艦である。 

 この船を選んだのは歴史的に有名な帆船であること、比較的シンプルな構造で1/96で製作できそうであったから。アナトミーの図面を基に製作に取りかかったが、パーツ作りやロープの取り付けなどで行き詰まりの繰り返し。

 

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  No.23  チャールズ・ヨット

        (CHARLES ROYAL YACHT) 

 

    製作者:江藤 正和    船 籍:イギリス    建 造:1674年    縮 尺:1/64

    キット:ウッディジョー

 

 一昨年、本同好会に入会と同時に基礎講習会を受講し、講師や先輩の方々のご指導を頂きながら製作した教材のチャールズ・ヨットです。 

 失敗してはやり直しを繰り返しなんとか仕上げることが出来ました。これまで自己流で艦船模型を製作したことはありましたが、帆船模型は初めてで基礎的な事を多く学ぶことが出来、今は2隻目の帆船模型に取り組んでいます。

 

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  No.24  カティ・サーク (CUTTY SARK) 

 

    製作者:前川 政司    船 籍:イギリス    建 造:1869年    縮 尺:1/100

    キット:自 作

 

 カティ・サークは、帆船時代の最後を飾った鉄木船で、現在イギリスのグリニッジに保存公開されている。当時莫大な利益をもたらしたお茶を中国等から運ぶために作られた高速艇の一隻で、これらの船はティークリッパーと呼ばれた。船名はヴィクトリア朝時代の女性の下着のことで、船首像の下着姿の魔女ナニー(スコットランドの詩人の叙事詩より)は当時話題になったようだ。 

 この模型は実船と同じように、マスト、ヤードの一部やブルワークに金属を、静索には金属線を使用している。また、黒色塗装はせず模型としての面白さを出してみた。

 

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  No.25  スウェーデンの砲艦

         (CANNOERA SVEDESE) 

 

    製作者:首藤 克彦    船 籍:スウェーデン    建 造:1770年    縮 尺:1/48

    キット:アマティ

 

 大口径の大砲を船尾に1門備えた砲艦である。機動力は弱く、14本の櫂を備えた小型の帆船であり、戦場での帆走は期待できなかったと思われる。比較的静かな戦場で、海岸から陸上への砲撃任務に当たったのであろう。 

 この船を見た時、一度は作ってみたいと思い製作したのではあるが、製作過程で、取り合い寸法など面倒なところが多く、完成してみると駄作であった。

 

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  No.26  ロイヤル・キャロライン

          (ROYAL CAROLINE)

 

 

    製作者:高山 實    船 籍:イギリス     建 造:1749年    縮 尺:1/47

    キット:パナルト 

 

 英国の王室専用ヨットとして建造された豪華絢爛たる船です。帆が付いても、帆無しでもそれぞれ美しい帆船の姿ですが、今回は帆を少し畳んだ状態も美しいと思い挑戦してみました。ろくに帆の形も操作ロープの仕組みも知らないまま作り始めましたので4、5冊の参考書を見たり、日本丸の総展帆を見たり、諸先輩に何度もアドバイスを頂いたりして、船体に1年、リギングに1年かけ完成しました。製作途中、船室の中の装飾も豪華にしたらと云われましたが、技術、知識が伴いませんので諦めました。

 

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  No.27   日 本 丸(新) 

 

    製作者:三塚 康典    船 籍:日 本    建 造:1984年    縮 尺:1/160

    キット:ウッディジョー

 

 航海訓練所練習船。総トン数2,570トン。世界でも有数な4本マスト・バーク型高速帆船。 

 縮尺が大きいので部品が小さくなり作業に苦労した。特に帆装には時間を要した。キットを改造した点は、上甲板を1×2㎜の檜板で貼りつめたこと、及び舵とスターンフレームをなるべく現物に合わせ改造し、舵を動くようにしたことである。

 

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  No.28  ベレロフォン (BELLEROPHON) 

 

    製作者:久保田 光昭    船 籍:イギリス    建 造:1786年    縮 尺:1/72

    キット:ヴィクトリーモデル

 

 歴戦の兵揃いの英国海軍の中でも「栄光の6月1日」 (1794年)、ナイル(1798年)、トラファルガー(1805年)、ナポレオンの身柄の確保(1815年)と、数々の戦功を誇る74門艦。ビクトリーモデル製の "HMS ヴァンガード" のキットを使用し、キットに含まれている装飾オプション3隻のうち、多彩な戦歴に惹かれて本艦を選択した。 

 昨年の展覧会から殆ど製作の進捗がなく、恥ずかしい限りであるが少しでも製作の歩を進めたい。

 

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  No.29   錦川の屋形船と錦帯橋

 

    製作者:児玉 陸郎    船 籍:日 本     建 造:ー     縮 尺:1/60

    キット:自 作

 

 今回1/60錦帯橋を製作してみました。材料は平成13年架け替え工事の際の旧橋解体材(桧)を、現地工事関係者からご厚意で提供頂き、全体の約80%に使用しました。 

 岩国城の守護神と云われる天然記念物・白蛇に因んで4隻の屋形船「白蛇1~4号」が平成15年の橋架け替え工事と同時に橋本造船所で建造され、その姿が錦川に一層の風情を添えています。模型はその図面を基に製作しました。 屋形船より見上げる橋体下面の文様が算盤橋とも云われる所以です。

 

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  No.30   高 田 丸

 

    製作者:金森 弘一    船 籍:日 本    建 造:1859年    縮 尺:1/100

    キット:自 作

 

『「西国の諸大名は500石積み以上の軍船を建造してはならない」と徳川家康が慶長14年(1609)禁令を出した。やがてこれが民間の商船にも及び、政治上の強烈な抑圧のもとで江戸期の船舶は奇形に発達した。技術を退行させる政治に対しそれを穏やかに受け入れつつ、古い型の和船を精一杯に成熟させたのがこの後期大和型であり、その努力と知恵は驚嘆すべきものがある』と司馬遼太郎の著作にあった。

 19世紀前半150トン積み弁財船に船頭以下12~3人が乗り組んで、優れた上手回しの操船技術で西宮から江戸まで平均速度6.6ノットという記録もある。 

  私としては初めて作る和船独特の単純化された深みのある技に浸りながらさわやかな気分であった。

 

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