長い航海中、乾燥野菜、塩付け肉では体が持たない。連合艦隊の司令長官来艦などがあると、それなりのもてなしをしなくてはいけない。そのときに活躍するのが、この小屋の住人である鳥達である。人の食料屑などを餌にしているのでその肉はまるまると太って脂肪が良く付き非常に上手い。毎日食えるわけではないが、時として何羽かをつぶし士官会議の後のパーティーで食することもある。

 

 但し飼育規模に限定があるので、下級兵士には一切与えないようにしている。

 艦尾から少し後ろへ傾いたフラッグマストがある。此処には主に国籍を表すシンボルとなる旗を掲揚するが、時代によってその姿、模様が変わる。

 

 我が輩はあまり直接扱うことは少なく当番兵に任せてあるので詳しくないが、イギリスのAlec A Purvesが旗については詳しい本を出しており、又君たちの國ジパングで横浜帆船模型同好会の中山氏が日本語に翻訳し大変詳しいので聞いてみると良いだろう。

 専ら艦長が使用する部屋である。時には高級士官会議の場所にもなるし、祝い事のパーティー場にもなる艦長公室である。映画になっても此処が一番良く写るところで艦内軍事裁判もここで行われる。数々のドラマを生み出す、艦内唯一の広い部屋である。

 

 部屋の中にはタンス、グラスケース、ロングチエアなどが整っていて、いつでもパーティーが開けるようになっている。航行中は当番兵が掃除するが、入港したときなどは町のおばさんが掃除に来る。

 

 船尾にはかなり広いギャラリーもあり天気のいい日などは散歩方々運動をする。

艦長公室には家具が固定設置されている。写真下側が船尾になる。

お客用のロングチエアが船尾側にずらりと並んでいる。


 要するに船尾である。帆船時代の船では最も豪華に飾り立てた部分である。この艦はご覧のように派手な飾りは殆どない。これは国威を示すような艦ではなくて、あくまで戦闘に徹した戦列艦であり、飾りよりは操船、機能を重視して設計したものである。

 

 どうだ、本当に飾りがないだろう。だけどウインドウの整列、大きさ非常にバランスがとれておる、世界に誇るフランスの建造技術はここでも生きており、世界最高の性能をもった艦としてイギリスからも狙われ、この前も1隻拿捕されてしまった。模型でのブレストレールは真鍮板をドリルと糸のこで切り抜き、鑢で成形したという、我が艦自慢の一つである。

 

 船尾を見ただけで模型マニアはその船名が有名船の場合分かるのだろうが、この艦は同型艦が沢山あり、船名だけを聴いてもピント来ないだろう。同型艦でも色彩、装備等微妙な部分では全く同じとは云えないが、素人の観光客ではその違いを多分見分けることができないだろう。

スターンギャラリー

スターン側面


 多目的ルーム

 此処は士官同士の会議室、食堂、休憩室と多目的に使用されている。夜はこの辺に箱ハンモックを吊って就寝することになる。船尾には個人別に割り当てられたロッカーも準備されている。

 

 戦闘に入るとバルクヘッドは全部外され、艦首から艦尾まで見透視がきき命令が良く伝わるような配慮をしている。

 

 ガンデッキへの階段

 士官室の出入り口付近にはガンデッキとクオーターデッキに通じる階段がある。階段は他にもあるがこれがメインになっている。戦闘中は火薬運びで大混雑する場所である。

 大砲を撃て

 事務所と云っても囲いもない。机と椅子が準備してあるだけである。

 

 ここで戦闘現場としての即効性のある作戦会議、指示の伝達をするのである。スターンの両側には砲手長とパーサの個室が用意されている。

(写真は工事中の砲手室事務所)