ガンデッキの大砲

 32ポンド砲がずらりと並んでいる姿は模型でも圧巻である。大砲の構造は大小いずれも大して変わらない。

大砲が勝手に動き出すと危険なのでロープでデッキとフレームにがっちり固定する。ただ前後には発射の反動で動くので、ブロックで調整できるようになっている。

 

 砲身は真鍮鋳物で出来ているが良く割れたり壊れたりするので船底に使用出来ない砲身を重りの変わりにストックしてある。又予備の砲身も積める限り積んである。

 

  因みに本艦の大砲の砲身の大きさとウエイトは

 大砲の種類

太い所の直径

長 さ

重 さ

門 数

36

174mm

2.925m

3.6ton

28

18

138mm

2.600m

2.0ton

30

8

106mm

2.221m

1.2ton

16

大 砲

  大砲は50個の部品で組み立てられている。本物を扱うときもその重量で組立は困難を伴うが、模型でも同じでこれだけ細かい部品を全て組み立てたのが下の写真である。縮尺を1/48にしたのもこれでうなずけるだろう。

 

 下の写真の大砲は本物と見まがうだろう、自慢作品の一つである。


パンを焼く

 何しろ500人以上のパンを焼くのである。中途半端なパン焼き器では間に合わない。普段、航海中はパンを良く焼いているが、一旦戦闘とか、荒天になると火の気は一切消すので、固パン(ビスケット)が何日も続くこともある。固パンには保管中に虫食いが多く、もしも一緒に食べるか、丁寧に除かなくてはならない。従って新鮮なパンにあり付けるとなるとこの時とばかり取得競争になる。

 

 ここでお断りがひとつ。実はここはデッキを片貼りにしたので、オーブンもカットしようか、それとも普通に作ってデッキからはみ出さそうかと迷っているうち、他の工程がどんどん進み、オーブンを作り忘れた。作ってないんだから見えるわけがない。今後当艦ではパンなしにしよう。

 

  下のブードリオが描いたイラストを参考にしていただくと有り難い。

 クオーターデッキには沢山の索止めがある。特にマストの周りはピンレールが沢山並び、多くのロープが繋策してあるのである。

 

 左側は大型の索止め(kevel)、右側はビレーピンが並んでいるピンレール(Pinrail)

 

 デッキに4器据えてある。中にはサーベル、銃器などが詰め込まれ、敵の襲撃に備えている。模型では中身を入れていないが、箱の蓋には傾斜をつけ火器の雨に対する防御も施されている。

 今の自動車ではステアリングに相当するのだろう。舵を動かす原動力を人間がやっている。大変重労働になるので、水分補給のために水瓶も側に用意している。前には操舵に必要なコンパスを置き、航海士の将校が側にいて直ちに把手に命令を伝える。要するに飛行機で云うコックビットに相当する。

 

 これくらいの大型艦になると操舵手は交代も含めると20名くらいが必要になる。非常に喜んで就労する兵隊もいるが、当番を命じても嫌がる兵士が多いので、これらの補充では頭が痛い問題の一つである。

 

 ダブルホイールを回すとロープが移動して舵柄を動かす。