2023年6月 構造模型講習会(中級編) 第5回        ダイジェスト

2023年6月24日(土) 13:00~16:30

かながわ県民センター3階 304会議室

構造模型講習会担当:大坂

 

 梅雨明け前の蒸し暑い晴れ間の開催日でした。ところで、ニュースでは、相変わらず「新型コロナウイルス」の感染者数が全国的に緩やかな増加傾向が続くなど油断ならない状況なので、これまで通り、講習会ではマスク及び手洗いの励行をもうしばらくの間お願いをしています。出席状況は、所用により2名の方が欠席で、14名の出席でした。

 

 終盤となった今回は、“船体外部構造”についての講習内容でしたが、これまでと違い構造模型限定ではなく、キット模型の製作にも役立つ内容や当時の製作方法の解説もあり幅広い内容の講義でした。なお『講習会の解説P.P資料』は、これまでと同様に、冨井講師からメール配信されました。

 

【講習概要】 

◆外部構造:《板貼り、外部装備品》(メインウェール)、船首(ヘッドティンバー)、ガンポート、チャネル、手すりとそれらに関連する製作加工事例を解説

1.板貼り<テキスト:帆船模型便覧の解説>

・各部名称の説明(英国3級戦列艦を事例)と各寸法諸元の説明。

・舷側外板:主にメインウェールを中心に解説

    *長尺板材:板材の含水方法(治具・溶剤)、A曲げ&B曲げの治工具の紹介

*メインウェール:形状(トップアンドバット、アンカーストック、テープを使った展開図の作成事例、接着剤

 を使い分けての貼付け方法、クランプ治具の紹介

・帆船模型の貼付け方法:バテンの貼付け、比例コンパスの自作例とその使用方法

・一口知識=当時の造船風景や外板の取り付け製法(キルンと呼ばれるかまどで木を蒸し柔らかくして船体に曲げて取

 付けていたとのこと。)。参考本2冊の紹介があった。

 

2.外部装備品(船首、チャネル、ガンポート、手すり)の解説

・船首:*各部名称の解説、メインレールの作図方法と溝加工治具を使った製作事例、型紙によるヘッドティンバー製

 作方法、

・ガンポート:*ガンポート形状各種説明、外板の合わせ目に合わせたガンポート製作治具

・チャンネル:*製作方法の留意点と補強ピンについて、仮マストを利用した位置決め方法

・手すり:製作加工方法と加工治具の紹介

 

 今回は、いつもより製作事例紹介が多くあり、PP資料では間に合わず、ホワイトボードを利用されての講義でした。 また、講習会テキスト以外にも、HPの会員頁の研究会資料集の各種資料の紹介もあり大変参考になりました。

 

 ※次回最終回、 中級編講習会 第6回 は7月22日(土)

かながわ県民センター 第304会議室 PM1:00~の予定です。

冨井講師の講義風景 PP資料で説明
冨井講師の講義風景 PP資料で説明
補足説明でホワイトボードを使って解説
補足説明でホワイトボードを使って解説
“飯沢講師設計の構造模型“を製作中の講習生の方が、作品を持ち込まれて熱心に飯沢講師と質疑応答中。
“飯沢講師設計の構造模型“を製作中の講習生の方が、作品を持ち込まれて熱心に飯沢講師と質疑応答中。

クランプ治具とその使用事例 ネジ部を薄く削りフレームの隙間に通せるように工夫している
クランプ治具とその使用事例 ネジ部を薄く削りフレームの隙間に通せるように工夫している
比例コンパス 支点の位置を切り替えると比例値が変化する。
比例コンパス 支点の位置を切り替えると比例値が変化する。
手すり成型治具 治具に板材を挟み込んで万力などで固定し成型する。*曲げの箇所は、板厚が半分の板材を貼り合わせる。*治具にはガイドピン(矢印)でずれを予防している。
手すり成型治具 治具に板材を挟み込んで万力などで固定し成型する。*曲げの箇所は、板厚が半分の板材を貼り合わせる。*治具にはガイドピン(矢印)でずれを予防している。