2025年6月4日(水) 13:15~16:40
かながわ県民センター 305会議室
基礎講習会担当 廣野
第8回講習会は梅雨入り前の貴重な晴れの日に、出席11名、欠席6名で開催されました。
今回は9月の展覧会の基礎講習会コーナーで掲示する資料に使う受講者集合写真を、講習前に撮影しました。本来は製作中の模型と受講者が一緒になった写真が撮れれば良かったですが、雨の季節の中の模型運搬や完成直前の運搬時破損問題があったため、模型持参は中止とした結果、以前に比べて少し寂しい感じの集合写真となってしまいました。
続いて講習会が始まり、写真データーを持参された方1名と、コンパクトな梱包に収めて持参された方1名の製作中の模型の説明が行われました。
写真データーを持参された方はほぼ順調にリギングが進んでおり、リギングの取り回しや、ロープの終点となるビレーピンの位置の確認等、実際作って感じた不明な個所の紹介がありました。この点は講師から適切なアドバイスがあり、問題解決に繋がったものと思います。
模型を持参された方の進捗状況はマストが完成している状態で、現在取り組んでいる細かな部品を美しく作るテクニックの紹介があり、一同感心していました。
今日の講習はランニングリギンの仕上げを中心にした説明がありました。最初に「クローズフィート」の説明があり、実船通りに今回の小さな模型の細いロープを取りまわすことは難しいので、ロープの取付け方法を敢えてトップ外周部に変更して、それらしく見えるようにしたとの事でした。続いて「ローディングテークル」の作り方の話がありました、これは船体中央に配置されているもので、今回の製作では省略可との話でした。
次に前後のヤード間の動索の「ブレース」と「ボウライン」の説明がありました。「ブレース」はヤードの方向を旋回させるロープのことで、ヤード先端についたペンダントブロックとぃう滑車に通されており、ロープの始端や終端は船やヤードによって変わっているとの話でした。「ボウライン」は帆の風上にある縁を船首方向へ引っ張って風を受けやすくするためのロープで、横帆の展開角度を調整して風を効率的に受けるためとの事でしたが、今回は省略可との話でした。
リギング全体に通じる配索の手順紹介では、今まで配索してきたリギングに加えて今回の講義分のリギングを追加するには、極力手を入れて作業ができるように「船体中心部から舷側側へ、かつ上から下へ」の作業を心掛けて作っているとの紹介がありました。
講習の最後に、最近海外で発生した船舶事故の話がありました。一つはアメリカであったメキシコ海軍の帆船クアウテモックが機関故障で操船が出来なくなり、ブルックリン橋に衝突してマストを折ってしまった事故についてでした。
二つは北朝鮮の艦船の横滑り方式の進水式で失敗して船が転覆した話しで、実船の進水式には3方式(ドック進水、縦滑り進水、横滑り進水)がある事や、船が滑って進水する時は船体のバランスが崩れて一番危険な状態になるとの話で、模型製作を通じて船舶の基本となる知識を得ることが出来、非常に参考となりました。
次回の第9回講習会は8月7日(木)、かながわ県民センター305会議室 13:15~の予定です。
以上