デッキの構造はどのデッキも同じようで、ビームは水はけのためにカーブが付いています。ビームの端はデッキの支え材で強力に固定されています。デッキと交差して、ビームの位置を保ち、なを、補強材の役目も兼ねている桁が多数入っています。ビームとビーム間には1本又は2本の補助ビームを入れてあります。

クオーターデッキの骨組みを見る。
クオーターデッキの骨組みを見る。
甲板を貼る準備はできた。
甲板を貼る準備はできた。
ビームを接着する。
ビームを接着する。

ギャングウエイの構造。
ギャングウエイの構造。
デッキ支えも全て形が微妙に違う。
デッキ支えも全て形が微妙に違う。
ブレストークとベル。
ブレストークとベル。

階段室を組み立てた。
階段室を組み立てた。

 丁度プープデッキの下側にあるデッキでクオータデッキとは連続しています。この部分が艦長を初めとした司令室兼居室になっているのです。この辺は取り付け機器も多く、小部屋も作ってあるのでここぞとばかり模型でも力を入れたところです。図面も詳細でこの部分だけの拡大図で説明しています。

 

 まず目立つものとしてダブルホイールがあります。よくいう舵取りです。この位の大きな船になるとホイールは殆どタンデム形のダブルになっています。通常の静かな航行では一人又は2人の操舵手でことは足りますが、全速運行、荒天時等、又戦闘中の方向転換では大勢の操舵手が付かないと操船不能になってしまいます。それでダブルホイールにして、10数人が力を合わせて操舵できる構造となっています。

 

 ホイールの真ん中の円筒にはロープが巻き付けてあり、ホイールを回すことによってロープが移動します。このロープはアッパーデッキの上部に設置した弓形のクアドラントを経由して舵柄を左右に振ります。この辺も模型で全て作り込んだのですが残念ながら、組み立て後はその様子を全く見ることはできません。そのために工作中の写真を残しました、この写真でその構造の作り方の難しさを想像して欲しいのです。

 

 全く本物の船と同じように作り込んだので、ホイールを回すとゆっくりラダーが動きます何とも心地よい動きです。これを回して嵐の中を突っ走ったかと思うと余計この船に対しての愛着が湧いてきます。

 

 ホイールの前方にはコンパスとか測量具を入れたキャビネットがあります。その前に水瓶のようなものが二つ置いてあるので何かなと疑問を抱きました。本を見るとウオータージャーになっています。やはり水入れだったようです。これはホイールを回すと汗が出て水が欲しくなるので、ここだけは無制限に水を飲むことができるように準備されているようです。本当は陶器でできていたと思いますが、ここは真鍮棒を旋盤で削り、それらしい形にして誤魔化しました。

 

 ホイールの後ろ側ですが、すぐ艦長室に通じるドアがあり、ここへ入ると廊下の両側に銃のロッカーがあります。ずらっと小銃が並んでいます、海兵隊用の物ですがあまりにもきっちり整頓されて保管してあるので、これに感激して、模型でも銃を作ることにしました。銃身は真鍮線の黒染めです。残念ですが銃口を見ても穴は開いていません。これをロッカーに置いた姿は図面以上に感激しました。何といっても模型は立体表現ですから図面を遙かに超えたものがあります。

 

 廊下の奥は大広間になっていてこの船の公式行事が行われたり、パーティー会場など多目的で使用されます。ロングチエアが5脚タンスとそのサイドに置かれています。入り口付近には食器等を入れたケースがあります。

 

 銃のロッカーの両横には右舷に艦長個室、左舷に一等航海士の居室があり、執務ができるよう大きい机、棚が揃っています。就寝時にはベッドルームがそれぞれにありベッドにゆっくり休むことができます。因みに兵隊さんはみんなデッキにハンモックを吊ってそこで寝ていました。

 

 ホイールの両横には士官の個室が4部屋あります。これらの部屋の内部、ベッドまで含めてここは全て模型でも表現しました。ベッドの白いスーツが気持ちよい感じを与え、模型とは思えない実感を味わえます。

 

  艦長公室からギャラリーへ出ます。良く映画などに出てくる場所です。ギャラリーのレールに付いているネットはその模様の形が似てはいますが傾斜など全て少しずつ、変化しています。これの作り方で試行錯誤しましたが結局、鉄道模型の技術を生かして、真鍮板から窓を切り抜き、鑢仕上げで作りました。この辺は私の自慢できる加工技術の一つです。

艦長室の入り口はダブルホイールの後ろで通路にはガンロッカーが備えてある。
艦長室の入り口はダブルホイールの後ろで通路にはガンロッカーが備えてある。
ホイールの横にはオフイサーの室が並んでいる。
ホイールの横にはオフイサーの室が並んでいる。