2023年1月 研究会ダイジェスト

今年初めての研究会が、114 かながわ県民センターで開催され、27名が参加しました。テーマは「旗の製作と木部の塗装」で冨井さん(ID.223)がパワーポイントを使って紹介されました。概要は下記のとおりです。

 

旗の時代考証

   18世紀の帆船の主な旗は、船尾のエンサイン(軍艦旗)、船首のジャック(国旗)とマストの上に掲げる就役内容を示すペナント。

    旗のデザインは、英国の国旗のように時代とともに変化するので、旗の掲揚方法なども含めて製作した帆船の時代  とマッチするように時代考証が大切。

    模型の状況設定に合わせて、旗をなびかせる方向を配慮する。帆を付けていない或いは畳んでいるときは、投錨し

    て船首が風に正対いると想定して旗を後方になびかせる。


旗の製作(転写方式)

用紙に粉状のものが塗布してあり、熱を加えることで溶けてビニール状になり生地に転写される。

    専用の転写用紙に旗の端をなびいて見えるように変形させて、鏡面印刷する。

    綿ローン、または、ティシュペーパーのような薄い生地に転写用紙を載せる。

    丈夫な台の上で高温のアイロンを強く押し付け、図柄を生地に転写する。

 

旗の製作(PC印刷)

    画像ソフトで旗竿と反対の下端を、斜下方向に引っ張るように変形処理する。(写真1

    台紙(A4)に旗を印刷する。  注:中央より後ろに配置する。(写真2

    生地は綿ローンのハンカチーフなど、極力目が詰んだ薄いものを使う。(写真3

    糊を効かせてアイロンをかけしわを取る。インクの滲み防止になる。

    生地がプリンターに巻き込まれないように、台紙にスティック糊で貼り付け、さらに、周囲を瞬間接着剤で確実に

  固定する。(写真4

    後ろから用紙を差し込めるタイプのプリンターで印刷する。紙送りローラを掃除しておくこと。

・ 台紙から切り離し、簡単な治具ではためいた状態にし、ハードヘアースプレーで固める。(写真5

写真1
写真1
写真4
写真4
写真2
写真2
写真5
写真5
写真3
写真3
完成した旗
完成した旗

 

木部の塗装

木彫オイル:低粘度の無色透明のオイルフィニッシュ塗料で、乾く前に拭き上げると膜を形成せず、木地を生かした落ち着いた艶に仕上がる(木地を水で濡らした色)。乾燥時間が比較的短い。着色するときは事前にオイルステイン等で処理する必要がある。

ワトコオイル:亜麻仁油が主成分のオイルフィニッシュ塗料で、マホガニー、エボニーなど8色ある。乾燥時間が23日間と長く、亜麻仁油を主成分としているので経年変化で黄変する。

オイルステイン:木部着色剤で木材の色以外にも赤、黒など色々ある。油性と水性のものがあり、一般的には油性の方が艶があり仕上がりが美しい。

白木まもーる:白木の美しい木目を生かし、風合いがそのままに仕上がる。乾燥後表面が若干荒れるので軽くサンディングする。甲板の塗装に最適。

AZ黒染めスプレー:微粒子グラファイトを主成分としたスプレー式黒染め塗料。黒染め液より取り扱いが簡単で、木部の塗装も可能。高価なのが難。

カラースプレー:プラモデルの塗料で、船体上部(イギリス船の青、オランダ船の緑)や船底(レーシングホワイト)の塗装に最適。

ラッカーサフェイサー:銅板貼りの下地塗料。

金うるし:フィギュアヘッドなどのギルティング用。 

メタルプライマー:オーナメント、エッチングパーツ塗装の下地塗料。

木彫オイル

ワトコオイル

オイルステイン

白木まもーる


AZ黒染めスプレー

カラースプレー

サフェイサー

金うるし

メタルプライマー