今年初めての研究会が、1月14日 かながわ県民センターで開催され、27名が参加しました。テーマは「旗の製作と木部の塗装」で冨井さん(ID.223)がパワーポイントを使って紹介されました。概要は下記のとおりです。
旗の時代考証
・ 18世紀の帆船の主な旗は、船尾のエンサイン(軍艦旗)、船首のジャック(国旗)とマストの上に掲げる就役内容を示すペナント。
・ 旗のデザインは、英国の国旗のように時代とともに変化するので、旗の掲揚方法なども含めて製作した帆船の時代 とマッチするように時代考証が大切。
・ 模型の状況設定に合わせて、旗をなびかせる方向を配慮する。帆を付けていない或いは畳んでいるときは、投錨し
て船首が風に正対いると想定して旗を後方になびかせる。
旗の製作(転写方式)
用紙に粉状のものが塗布してあり、熱を加えることで溶けてビニール状になり生地に転写される。
・ 専用の転写用紙に旗の端をなびいて見えるように変形させて、鏡面印刷する。
・ 綿ローン、または、ティシュペーパーのような薄い生地に転写用紙を載せる。
・ 丈夫な台の上で高温のアイロンを強く押し付け、図柄を生地に転写する。
旗の製作(PC印刷)
・ 画像ソフトで旗竿と反対の下端を、斜下方向に引っ張るように変形処理する。(写真1)
・ 台紙(A4)に旗を印刷する。 注:中央より後ろに配置する。(写真2)
・ 生地は綿ローンのハンカチーフなど、極力目が詰んだ薄いものを使う。(写真3)
・ 糊を効かせてアイロンをかけしわを取る。インクの滲み防止になる。
・ 生地がプリンターに巻き込まれないように、台紙にスティック糊で貼り付け、さらに、周囲を瞬間接着剤で確実に
固定する。(写真4)
・ 後ろから用紙を差し込めるタイプのプリンターで印刷する。紙送りローラ―を掃除しておくこと。
・ 台紙から切り離し、簡単な治具ではためいた状態にし、ハードヘアースプレーで固める。(写真5)
木部の塗装
木彫オイル:低粘度の無色透明のオイルフィニッシュ塗料で、乾く前に拭き上げると膜を形成せず、木地を生かした落ち着いた艶に仕上がる(木地を水で濡らした色)。乾燥時間が比較的短い。着色するときは事前にオイルステイン等で処理する必要がある。
ワトコオイル:亜麻仁油が主成分のオイルフィニッシュ塗料で、マホガニー、エボニーなど8色ある。乾燥時間が2~3日間と長く、亜麻仁油を主成分としているので経年変化で黄変する。
オイルステイン:木部着色剤で木材の色以外にも赤、黒など色々ある。油性と水性のものがあり、一般的には油性の方が艶があり仕上がりが美しい。
白木まもーる:白木の美しい木目を生かし、風合いがそのままに仕上がる。乾燥後表面が若干荒れるので軽くサンディングする。甲板の塗装に最適。
AZ黒染めスプレー:微粒子グラファイトを主成分としたスプレー式黒染め塗料。黒染め液より取り扱いが簡単で、木部の塗装も可能。高価なのが難。
カラースプレー:プラモデルの塗料で、船体上部(イギリス船の青、オランダ船の緑)や船底(レーシングホワイト)の塗装に最適。
ラッカーサフェイサー:銅板貼りの下地塗料。
金うるし:フィギュア―ヘッドなどのギルティング用。
メタルプライマー:オーナメント、エッチングパーツ塗装の下地塗料。
木彫オイル
ワトコオイル
オイルステイン
白木まもーる
AZ黒染めスプレー
カラースプレー
サフェイサー
金うるし
メタルプライマー