「製作事例;HAMPTON COURT 1678」 ID. 033 濱中 聖之進
船体左右二分割建造法で作る構造模型で、縮尺が1/200と一般的な1/48や1/74に比べ非常に小さいミニチュアモデルである。
使用材料は、DIY店で販売しているMDF材を使用し、その他の材料もDIY店、手芸店や百均で購入できるものである。スターンギャラリー等の装飾はレジン、樹脂粘土、モデリングペーストを使用し、甲板材はケント紙の上に、ウッデイロールを使っている。製作時間は、530hr/105dayとのことである。
「ろう付けに」ついて ID.287 郷原 邦昌
「ろう付け」には、“半田付け”に代表される「軟ろう」と“銀ろう付け”に代表される「硬ろう」があり、帆船模型では強度の必要な「ラダーヒンジ」等に“銀ろう”を使うことが多い。
複数個所へのろう付けは 、“銀ろう付け”で使用される溶融温度の異なるロウを使い分ける。BAg-1(ろう付け温度620℃~760℃)、BAg-4(ろう付け温度780℃~900℃)と温度が異なるロウで最初にBAg-4でろう付けし、次に最初に付けた部分が溶けないようにBAg-1でろう付けする。
“銀ろう付け”作業で重要なことは、最初に素材の表面の油やさびを除去してから作業することと、付けようする素材の隙間を0.25mm以下にすることである。汚れの除去は、クエン酸溶液(20%)への「漬け置き」洗浄5分以上が効果的である。
“銀ろう付け”は、接合する部分にフラッスを付ける。フラックスは液状、ゼリー状などがあり、その上にろうを乗せる。ろうは、板状、練り状、粉状のものがある。これをバーナーで熱する。長く加熱すると素材が溶けることがあるので、「火を離すタイミング」が大切ある。
“銀ろう付け”作業後、残ったフラックスや加熱による酸化膜によって変色することがあるので、クエン酸溶液(20%)での酸洗いを行い、その後水洗いする。
バーナーでの加熱では、火を使うので火事等に気を付け、下敷きに断熱ボードを引いた上に穴あきセラミックボードを置いて、先端が折れたドリルなどを差し込んで素材を固定しながら行う。