2023年10月 スクラッチ基礎講習会(第8回)ダイジェスト

 2023年10月7日(土) 13:15~16:45

かながわ労働プラザ4階 第3会議室

基礎講習会担当:廣野

 

 第8回のスクラッチ基礎講習会は、夏の暑さがやっと一段落し秋風が吹き始めた頃に開催され、今回は所用等で3名が欠席し、12名の受講者が出席して行われました。

 

 講習に先立ち事務局から、「講習会は春先の3月に第1回が始まり、本日は8回目の最終回になります。その間スクラッチによる模型製作を通じ、貴重な経験をすることが出来たと思います。展示会まであとひと月ありますので、是非キリの良い所まで作り上げて下さい。」と話があり、その後、展覧会で掲示するパネル(案)の説明がありました。

 

 講習が始まる前に、従来と同じように受講者が持参した第7回目までの講習内容を作り込んだ模型を見せ合いながら、意見交換会を行いました。前回の講習は主に「シュラウド」「ステイ」「テークル」の様なロープ(糸)と、ブロックの製作で、今回持参された模型では7隻にマストが立ち、その内5隻にはシュラウドも付き次第にリギング全体の姿が現れてきました。リギングになると製作ペースが落ちているようで、ロープの取り回しで悪戦苦闘しているようでした。意見交換会の初回は知らない会員も多くぎこちない雰囲気でしたが、第8回の講習会の意見交換会となると受講者間の目に見えない壁も次第に無くなってきたようで、製作談議に花が咲き苦労話・自慢話は尽きないようでした。

 

 第6回の講習会と同様な受講者からの参考事例の紹介があり、番場さんから1/200の模型で使っている細い棒や大砲等の効率的な作り方の説明がありました。内容はルーターに楊枝をくわえ低速で回転させながら、低回転で回っているベルトサンダーにあてて少しずつ削る方法で、短時間で多くの部品を作ることが出来るとのことでした。

 

 第8回の講習内容は「リギング動索一式」、「ガンポートリッド・砲身・アンカー&ランタン搭載」、「飾り台」です。説明に先立ち講師作成の模型を前に全員が集まり、リギングのポイントについての説明を受けました。完成してから今日までに時間が経ったため、リギングは使用している糸の材質によって湿度で伸びて垂れ下がり気味になったり、逆に縮んでマストの傾きが変わってしまった箇所の説明がありました。リギングのコツは、テンションがゼロになる様に注意深く設定する事とのことでしたが、このテンションをゼロにするのは各部の影響を見ながら微調整する必要があり、リギングを何回も経験しないと会得出来無いように感じました。

 

 次のポイントはリギングが終盤になるにつれて工具が入る隙間が無くなるので、先を読んでリギングの順番を考えるとのことです。完成した模型の写真を使ってリギングの順番の説明があり、前後方向は後方のマスト周りのリギングからミズンマストそしてフォアマストの順序で、上下方向は下方から上方の順序で行うとのことでした。

 

 講習会の最後に、多くの受講者から「模型は未完成なので、適当な時期に補習の機会を設けてもらいたい。」との希望があった為、今後事務局が開催方向で詳細を検討することにしました。講師からは受講者に向けて「作品の価値は注いだエネルギーに比例する。」と贈る言葉があり、受講生一同、今後の模型製作について努力していきたいと感じました。また今回の最年長の藤原さんから濱中講師に、「丁寧な指導を頂き感謝いたします。」との受講者を代表してお礼の話をしていただき、全8回のスクラッチ基礎講習会を終了しました。

グループに分かれ模型を前に話しあう講師と受講者(1)
グループに分かれ模型を前に話しあう講師と受講者(1)
グループに分かれ模型を前に話しあう講師と受講者(2)
グループに分かれ模型を前に話しあう講師と受講者(2)
リギングについて説明する講師
リギングについて説明する講師

全員が集まって講師の説明を聞く受講者
全員が集まって講師の説明を聞く受講者
リギングの詳細について説明する講師と聞き入る受講者
リギングの詳細について説明する講師と聞き入る受講者
ロープの結び目について処理方法を説明する講師
ロープの結び目について処理方法を説明する講師

受講者製作中の模型4隻(1)
受講者製作中の模型4隻(1)
受講者製作中の模型5隻(2)
受講者製作中の模型5隻(2)
完成した講師のフェニックス
完成した講師のフェニックス